骨粗鬆症

osteoporosis
「人生100年時代」

みなさまの健康維持に必要な対策として、
当院では骨粗鬆症についても専門的に診療しております。

骨粗鬆症とは

骨粗鬆症とは「骨折の危険性がある状態」で患者数は1300万人ほどで、今後ますます増加する傾向であると言われています。

骨粗鬆症になるとどうなるのか?

骨粗鬆症になるとどうなるのか

骨折

咳をしたなど、少しの力で骨折しやすくなります。背骨や大腿骨を骨折すると死亡リスクも上昇します。

身長低下・ねこ背

便秘や逆流性食道炎、心肺機能の低下につながります。

老け顔・顔のしわ

骨粗鬆症になると、頭や顔の骨もやせてしまいます。目の下のくぼみや「ほうれい線」ができ、「老けた印象」になります。

歯周病・歯を失う

骨粗鬆症になると、あごの骨も痩せてしまうので、歯が浮いた状態になり抜けやすくなります。歯がなくなると、あごの骨が感染しやすくなります。
自分の歯で食事ができない状態は消化不良や便秘の原因になります。

認知症・うつ

骨粗鬆症になると、骨から血管への成長因子の分泌が減ってしまい脳の機能、特に認知機能が低下すると言われています。

どれぐらいの方が骨粗鬆症になるか

50歳以上の女性5人に1人は骨粗鬆症です。特に70歳以上の女性では2人に1人は骨粗鬆症であると言われています。
日本は諸外国と比較して、もともとカルシウムとタンパク質の摂取量が低いことが知られています。諸外国では大腿骨頸部骨折数は低下していますが、日本では増加傾向にあります。
比較的年齢の高い女性だけでなく、若い方や男性にも骨粗鬆症を認めることがあり、以下のチェック方法で該当すれば検査をお勧めします。

骨粗鬆症の検査

骨粗鬆症になりやすい?簡単チェック法 その1

  • 身長が若い頃に比べて3cm以上低下した。
  • 壁に背中をつけ、あごを引いたときに、後頭部が壁につかない。
  • お酒を飲む日はビール(約5%)で1500ml以上のアルコールを飲む。
  • たばこを吸う。あるいは吸ったことがある。
  • コーヒー・緑茶・紅茶を1日に3杯以上飲む。
  • 糖尿病、関節リウマチ、甲状腺の病気、慢性腎臓病のいずれかがある。
  • 若い頃にダイエットをしたり、偏食をしていた。
  • 若い頃に比べて、歯の本数が減った。
  • 家族に大腿骨頸部骨折をした方がいる。

上記のに一つでも当てはまった場合は、骨粗鬆症になりやすいので、定期的に検査を受けましょう。

骨粗鬆症になりやすい?簡単チェック法 その2

FOSTA値はアジア人女性を対象としたもので、年齢と体重だけで骨粗鬆症の危険度を判定することができます。

FOSTA値 =
「体重(kg)ー 年齢(歳)」× 0.2
FOSTA値 骨粗鬆症リスク
1より大きい
-4以上、-1以下
-4未満

骨密度検査方法

骨密度検査機器

骨密度の測定方法にはさまざまな方法があります。

簡易検査:QUS法(かかと部位など)

超音波を用いるものです。検査は容易に行えますが、温度・湿度で変動が大きく正確性に欠けます。

骨密度検査(DXA法)

X線を使った検査で、精密検査では腰椎と大腿骨の2ヶ所で測定することが推奨されており、当院で実施することができます。
その他の検査として、MD法(第二中手骨など)などもあります。

当院での骨粗鬆症の検査

骨密度検査(DXA法)

腰椎DXAと大腿骨近位部DXAの2ヶ所を測定します。
検査着に着替えていただき、仰向けで寝た状態で測定します。
所要時間は5分程度で、結果のお渡しまで20分程度です。

脊椎X線検査

背骨の骨折のうち、3分の2は痛みなどの症状がない「いつの間にか骨折」といわれています。痛みがなくても骨粗鬆症のリスクがとても高い場合は、正確な骨粗鬆症の診断のために背骨のレントゲン画像を撮影します。

骨粗鬆症の治療

骨粗鬆症の予防

まだ骨粗鬆症ではないが骨塩減少と判断された場合、予防的な治療として食事療法・運動療法に加えて、負担のない薬の治療を行って低下させないことが望ましいです。
不足している点から補っていけるよう、診察でご提案させていただきます。
早めの対応で健康維持をしていきましょう。

骨粗鬆症の治療

  • 症状はないが骨密度の数値で骨粗鬆症と判定された場合
  • 大きな骨折をして次の骨折を予防したい場合
  • 他の治療をしていて骨密度が低下する危険性がある場合

骨粗鬆症の治療の必要性は上記のように様々な状況があります。
骨粗鬆症治療薬にはたくさんの種類の内服薬・注射があります。
骨のターンオーバーは180〜360日とされています。
治療してすぐには改善しないのでじっくりと治療を継続することが大切です。
それぞれの方のライフスタイルや症状にあわせて継続できる最善の治療を診察で提案させていただきます。
投薬期間や注意点、費用など何でもご相談ください。

文責

医師井戸田 愛

日本骨粗鬆症学会認定医

骨粗鬆症へのトータルケア

当院では医師だけでなくメディカルスタッフ全体で皆さまの骨粗鬆症対策へのトータルケアを提供いたします。
生活上の注意点、薬の副作用や費用などでのご不明な点、今後の生活などのご相談など皆様のご要望に対応し、サポートさせていただきます。

文責

看護師尾崎 ミキ

日本骨粗鬆症学会
骨粗鬆症マネージャー